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[ 健康 - 1. H+H オプション ]
最終更新日:2021年3月
無保険でも収入に応じた料金で受診できる病院 H+Hオプション
H+Hオプションとは Health + Hospitals の頭文字を取ったものです。H+Hオプションに加盟しているニューヨーク市内の病院やクリニックで、保険未加入でも所得に応じた自己負担額で受診できるプログラムです。また、移民ステータスのない不法滞在者も受け入れています。現在のアメリカにおいて医療費はとても高額です。H+Hオプションを上手に活用しましょう!
H+H オプションを実際どのようにして使うの?
始めに、ニューヨーク州で提供している公的医療保険や民間の医療保険に加入できるか審査され、加入資格があれば各々の保険プランによって自己負担額が計算されます。
収入や移民ステータスなどの関係で公的医療保険に加入できない場合や民間の医療保険の加入期間を逃してしまった場合、H+Hオプションを受けられるか審査されます。H+Hオプションを受ける資格があると認められると、スライディング・スケールを使ってあなたの収入や家族構成に応じた医療費の自己負担額が決められます。メディケア受給者でも、歯科治療のようなオリジナル・メディケアでカバーされてない治療をH+Hオプションを利用して受診することも可能です。また、H+Hオプションを受けるために移民ステータスは関係ありません。無保険で受診が必要な方は、早めにH+Hオプション加盟病院またはクリニックのファイナンシャル・カウンセラーに会って手続きをしてもらいましょう。
[ ファイナンシャルカウンセラーに相談する内容 ]
- 民間の保険へ加入できるか
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ニューヨーク州で運営・管理されている医療保険マーケットプレイス New York State of Health を通して保険に加入可能かどうか審査されます。
- ニューヨーク州政府の公的医療保険へ加入できるか
- 州政府が提供している無料〜低価格の公的医療保険に加入できるか審査されます。加入資格があれば、ファイナンシャル・カウンセラーがその手続きを手伝ってくれます。公的医療保険に加入すると、病院やクリニックでの治療が無料・低価格で受けられます。
- H+Hオプションを受けられるか
- H+Hオプションのスライディング・スケールを利用できるか審査されます。利用できれば、H+H オプション加盟病院またはクリニックで世帯所得に応じた料金で受診できます。
[ 申込み方法 ]
加盟病院やクリニックのファイナンシャル・カウンセラーと直接会ってH+Hオプションに申込む際、以下の書類が必要です。
- 身分証明と生年月日を証明できるもの(例:出生証明書、パスポート)
- 住所を証明できるもの(例:運転免許証、公共料金の請求書、銀行取引明細書、賃貸契約書や大家からの手紙)
- 収入を証明できるもの(例:過去4ヶ月分の給与明細、雇用主からの手紙、サイン入の税務申告書、ベネフィット・チェック、年金や失業保険等のアワードレター)
万一収入を証明する書類を用意できない場合は、ファイナンシャルカウンセラーに相談しましょう。
[ 注意事項! ]
保険を持たずに病院やクリニックで治療を受けると、支払い能力の有無に関わらず医療費を全額自己負担するよう請求が来ることがあります。皆さんもご存じだと思いますが、高額な医療費による借金や負債を抱えてしまう方も大勢います。これを防ぐために、ファイナンシャル・カウンセラーに会って医療費の減額や公的医療保険への加入が可能かどうかを相談することが非常に大切です。支払い能力がないからといって医療費の支払いを無視すると、病院やクリニックによってはクレジット会社に通報する事もあります。また、医療費の滞納や支払い拒否はクレジット・ヒストリーに悪影響を及ぼす可能性もあります。
[ スライディング・スケール(世帯所得に応じた自己負担額) ]
医療費の自己負担額はあなたの収入と家族構成に基づいて決定されます。
子どもに関しては、収入に関するスケールが大人と異なります。より多くの子どもたちが病院やクリニックで医療ケアが受けられるよう、収入が多くてもH+H オプションのサービスが受けられるように設定されています。
入院する場合もスライディング・スケールによる医療費設定が適用されます。
[ ニューヨーク州政府の公的医療保険やH+Hオプションが使えなかったら?! ]
緊急で受診した病院やクリニックがH+Hに加盟していなかったり、別の理由で上記2つのオプションが使えなかった場合、下記の方法があります。
- その他の医療費支払い援助プログラム
公的医療保険に加入できない上にH+Hオプションにも該当しない場合、ファイナンシャル・カウンセラーにその病院独自で行っている医療費支払い支援プログラムがあるか相談します。その病院によって名前もプログラム内容も異なりますが、そのような援助プログラムがあるか確認してみましょう。(チャリティー・プログラムと呼ぶ病院もあります) - 支払いプランを立てる
最終的に自己負担額が決定されてもまだ医療費が高額である場合、ファイナンシャル・カウンセラーに相談して支払いプランを立ててもらいましょう。月々の支払い額を自分の経済状況に合わせて設定することで、日常生活への支障を軽減できます。
[ 政府で発行している公的医療保険 ]
H+Hオプションの審査の前に、政府で発行している無料〜低価格の公的医療保険に加入できるかどうか審査が行われると説明しましたが、その一部の保険をご紹介します。なお、これらの保険の詳しい説明は、ホームページ上のそれぞれの項目をご参照ください。
- メディケイド(Medicaid): 低所得者用の公的医療保険
- エッセンシャルプラン(Essential Plan): メディケイドの規定所得よりも収入が多い公的医療保険
- チャイルド・ヘルス・プラス(Child Health Plus): 19歳未満の子ども用公的医療保険
また、ニューヨーク州には以下の様な公的プログラムもあります。
EPIC: 高齢者の処方せん薬専用の保険
SNP: HIV/AIDS患者用、またはホームレスの方の医療保険
[ ビザの心配はいりません! ]
H+Hオプションは、ニューヨーク市民であれば不法滞在を含めたどんな移民ステータスでも受けつけます。病院のスタッフは患者の移民ステータスを含める個人情報の守秘義務があるため、それらを移民局に通報することはありません。また、患者の個人情報を許可なしに他機関や他病院と共有することもありませんのでご安心ください。
なお、患者の権利の一つとして「全ての情報を母国語で説明されること」とあります。H+Hオプション加盟施設には英語以外の言語を話す通訳がいるので、もし必要であれば日本語通訳を無料で頼むことができます。
参考資料:
ニューヨーク市のH+Hオプションに関する情報
NYC Health + Hospitals http://www.nychealthandhospitals.org/